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セミフォーマル 江戸小紋

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江戸小紋はもともとは江戸時代の武士の「裃(かみしも」から発達したもので、柄の基本は裃の模様からきています。
江戸時代には、他の藩との区別を象徴するため、徳川将軍家の「御召十(おめしじゅう)」、紀州徳川家の「極鮫(ごくさめ)」、加賀前田家の「菊菱」など、各藩で「定め柄」を決めてそれぞれの柄を占有していました。
戦のない平和な江戸時代の武士の間では、より細かい柄を競い合うようになり、武士たちの要望にこたえるため、型を彫る職人も、それを染める職人も相互に切磋琢磨し、極微塵の柄が生み出されました。

江戸小紋の色は単彩です。近頃では多色使いの江戸小紋もありますが、基本は単色です。単色なので、とても色にこだわっています。
江戸時代には華美な服装を禁止した「ぜいたいく禁止令(奢侈禁止令)」が度々だされました。そのため、とても落ち着いた渋い色が多く生まれました。よく耳にする「四十八茶百鼠」ですが、これは茶色だけでも48種類なんと鼠色は百種類もの色があったということです。色相に微妙な変化を生みだして楽しむという、まさに日本人ならではの美意識が育まれました。

江戸小紋の「色」を決めるのは彩色される地色(全体に染める色)だけではありません。ぜいたく禁止令は色ばかりか華美な大きな柄も禁止していたため、江戸時代には無地と見間違うほどの、気の遠くなるような細かな柄が染められるようになりました。細かさを競いあうように、これでもかと微塵の柄が彫られ染められ、職人さんも意地と執念で細かさと色合いを競い合ったといいます。

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